背骨は人間の健康を保つ為に大切な役割を担っています。大きく分けると「体を支える(支持)」「体を動かす(運動)」そして「神経の保護」―この3つが背骨の大切な役割です。背骨の健康を維持する事は体の健康の維持にも繋がります。逆に背骨が不健康になると様々な体の不調にも繋がります。
背骨は7つの「頸椎」、12の「胸椎」、5つの「腰椎」、「仙骨」、「尾骨」から成り立っています。
頸椎(首の骨)は最も自在に動く骨であり、回す動作もでき、背骨の中で最も可動域が広いです。頸椎がゆがんで頭が前に出ると、首に負荷がかかり、頭痛や肩こりの原因になります。長時間うつむいて姿勢は、頚椎の歪みを生み出し、頸椎のカーブ(前弯)がなくなる(ストレートネック)の原因にも繋がります。
胸椎(胸の骨)は、肋骨につながり、心臓や肺を守って、呼吸にも大きく影響を与えます。自律神経との関わりが深く、胸椎の歪みは背中周りの痛みだけではなく、内臓や心の不調が起こりやすい事もあります。
腰椎(腰の骨)は、縁の下の力持ちで上半身を支えるため、椎骨もクッションである椎間板も一番大きく、その分、少しの負荷でも椎間板が傷つきヘルニアを起こしやすくなります。
椎骨同士が組み合っているため、特に前かがみにねじると痛めやすくなります。
頚椎と腰椎は前に(前弯)、胸椎は後ろに(後弯)カーブしていて3つの骨でS字カーブを構成して、このS字カーブが背骨の重要な役割の一つでなる体をささえる軸の役割を担います。
背骨にS字カーブがある事により、背骨は弾力性を持ち、体にかかる重力や負荷をうまく逃がすことができます。背骨が適正なS字カーブを保っていれば、頭の重さが背骨でうまく分散され、腰やひざなどの関節も内臓も、健やかに働けることが出来ます。
肩こりや腰痛、ひざの痛みは、猫背などで背骨の正しいS字カーブ(弾力性)を失われ、頭の重心がずれることでその重みが肩や腰、ひざにかかり、引き起こされる事が多いです。背骨のS字カーブが大きくなると、背骨の可動域は広くなり、安定感を失いやすくなり、からだ全体の軸としてうまく機能できなくなってしまいます
胸椎のカーブが大きくなると「猫背」になります。猫背になると肩コリや頭痛の原因になるだけではなく、呼吸は浅くなり、血流は滞るなど、さまざまな障害が引き起こされます。
腰椎のカーブが大きくなると「反り腰」になります。反り腰になると、腰回りの筋肉が緊張を強いられることになり、腰痛の原因になります。
背骨のもう一つの重要な役割は、神経の中軸である脊髄を保護する働きです。背骨の中には脳から続く脊髄が通っています。そして背骨を通る脊髄から神経が分かれて全身にゆきわたります。熱い、冷たいといった感覚を瞬時に感じられるのも、内臓がしっかり働くのも、背骨が神経を守り、手足やさまざまな臓器に神経をつなげているからです。
背骨に過剰な負担がかかったり、神経の通り道が狭くなったりすると、神経の流れが悪くなって様々な症状を引き起こします。
変形性脊椎症は主に加齢により生じるので、比較的高齢者の方に多いのですが、背骨への負担(歪み)を軽減せずに放っておくと背骨の寿命が短くなり、最近ではパソコン、スマートフォンの使用など長時間同じ姿勢を保つことによって、30〜40代と比較的若い世代の方でも変形性脊椎症になる事があります。変形性脊椎症になると背骨が歳をとって脊椎の端にささくれて骨のトゲのような骨棘ができるといった変化が起きます。骨棘、靱帯、椎間板などにより神経が圧迫されると首の痛み、腰痛、背中の痛み、あるいは下肢痛などが引き起こします。
カイロプラクティックは背骨の歪みを元に戻す事で、日々の生活で積み重なった背骨への負担を軽減して健康的な背骨を維持する事のサポートをします。健康な背骨を維持する事で痛みのない健康的な体を維持する事も出来ます。
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